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コマンド
vmstat

説明
システムリソースの統計情報を表示する。
デフォルトの表示内容に加えてオプションを指定することにより、ディスク、パーティション、キャッシュ、メモリの統計情報等を表示させることが可能となっている。
vmstatコマンドのバージョンは3.3.10とする。

表示内容
●デフォルト(表示オプションの指定なし)の表示内容
項目概要 項目 サブ項目 表示例 説明
プロセスに関する統計 procs r 3 ランタイム待ちのプロセス数。
b 0 割込み不可能なスリープ状態にあるプロセス数。
メモリに関する統計 memory swpd 168960 利用中のスワップメモリ量。(kバイト)
free 538712 空き物理メモリ容量。(kバイト)
buff 395764 バッファとして使用しているメモリ量。(kバイト)
cache 14687288 キャッシュとして使用しているメモリ量。(kバイト)
inact - アクティブでないメモリ量。(-a オプション使用時)
active - アクティブなメモリ量。(-a オプション使用時)
スワップメモリに関する統計 swap si 0 ディスクから秒間にスワップインしているメモリ量。(/s)
so 0 ディスクに秒間にスワップアウトしているメモリ量。(/s)
デバイスとの統計 io bi 5 ブロックデバイスから秒間に受け取ったブロック数。(blocks/s)
bo 9 ブロックデバイスに秒間に送られたブロック数。(blocks/s)
割込みとコンテキストスイッチの切り替えレート system in 0 秒間あたりの割り込み回数。クロック割込みも含む。
cs 0 秒間あたりのコンテキストスイッチの回数。
%CPU使用時間率 %Cpu(s) us 3 ユーザプロセスの%使用時間率。
sy 2 システムプロセスの%使用時間率。
id 95 アイドル状態の%時間率。
wa 0 I/Oの終了待をしている%時間率。
st 0 OS仮想化利用時に他の仮想CPUの計算で待たされた%時間率。

●ディスクモード(-d オプション)での表示内容
項目 サブ項目 説明
disk - ディスクドライブ。
reads total 成功した読み込みの総数。
merged グループ化された (結果として 1 つの I/O となった) 読み込みの数。
sectors 読み込みに成功したセクタ数。
ms 読み込みに使用した時間。 (ミリ秒)
writes total 成功した書き出しの総数。
merged グループ化された (結果として 1 つの I/O となった) 書き出しの数。
sectors 書き出しに成功したセクタ数。
ms 書き出しに使用した時間。 (ミリ秒)
io cur 実行中のI/O。
sec I/O に使用した時間。(秒)

●ディスクサマリーモード(-D オプション)での表示内容
項目 説明
disks ディスクドライブ数。
partitions ディスクパーティション数。
total reads 成功した読み込みの総数。
merged reads グループ化された (結果として 1 つの I/O となった) 読み込みの数。
read sectors 読み込みに成功したセクタ数。
milli reading 読み込みに使用した時間。 (ミリ秒)
writes 成功した書き出しの総数。
merged writes グループ化された (結果として 1 つの I/O となった) 書き出しの数。
written sectors 書き出しに成功したセクタ数。
milli writing 書き出しに使用した時間。 (ミリ秒)
inprogress IO 実行中のI/O。
milli spent IO I/O に使用した時間。(秒)

●パーティションモード(-p <指定パーティション> オプション)での表示内容
項目 説明
- 指定したディスクパーティション。
reads このパーティションに発行された読み込みの総数。
read sectors このパーティションから読み込まれた総セクタ数。
writes このパーティションに発行された書き出しの総数。
requested writes このパーティションへの書き出し要求の総数。

●SLABモード(-m オプション)での表示内容。(キャッシュの表示)
※slabキャッシュはファイルやディレクトリのメタデータ情報を格納する inode 構造体などをキャッシュしているメモリ領域。
※表示行数が多いため途中にヘッダー行が挿入される。ヘッダー行を途中に表示しない場合は-nオプションを指定する。

項目 説明
Cache キャッシュ名。
Num 現在アクティブなオブジェクトの数。
Total 利用可能なオブジェクトの総数。
Size 各オブジェクトのサイズ。
Pages 少なくとも 1 つのアクティブなオブジェクトがあるページの数。

●メモリ統計と各種カウンタ値モード(-s オプション)での表示内容
※メモリの利用状況とCPUティック等の各種カウンタ値を表示する。詳細についてはドキュメントが見つからなかったためここでは割愛する。

●forkモード(-f オプション)での表示内容
※起動後のfork数を表示する。

書式
vmstat [options] [delay [count]]

オプション
●表示モードの指定オプション
オプション 説明
-a, --active アクティブ、非アクティブなメモリを表示する。
-f, --fork ブート後のfork数を表示する。
-m, --slabs slabinfo を表示する。
-s, --stats メモリ情報と種々のイベントカウンタの値を表示する。
-d, --disk 各ディスクの統計情報を表示する。
-D, --disk-sum ディスク全体の統計情報のサマリを表示する。
-p [パーティション名] 指定したディスクパーティションの統計情報を表示する。
●出力形式とその他のオプション
オプション 説明
-n, --one-header ヘッダーの表示を一度だけにする。slbinfoの表示時などは表示行数が長くなるため見やすくするために途中にヘッダー行が挿入されているが、 -nオプションを指定するとその挿入ヘッダーが表示されないずに、先頭だけにヘッダーが表示される。
delay 更新間隔。秒単位で指定する。
count 更新回数。更新間隔が指定されて更新回数を指定しない場合は無限に更新間隔で表示しつづける。
-S, --unit [表示単位] 表示単位に k, K, m, M を指定するとそれぞれ出力を 1000, 1024, 1000000, 1048576 バイト単位に切り替える。
-w, --wide ワイド表示する。このオプションを指定するとヘッダと値の表示位置がずれないので見やすい。
-t, --timestamp タイムスタンプを表示する。実行結果をファイルなどにリダイレクトして長期の状態をロギングする際などに有効。
-h, --help ヘルプメッセージを表示する。
-V, --version バージョンを表示する。

使用例1
vmstat -w 1
※1秒間隔でシステム情報を表示しつづける。

使用例2
vmstat -w -S M 2
※2秒間隔でシステム情報を表示しつづける。
※メモリー関連の表示はメガバイト単位で表示する。

使用例3
vmstat -w 5 10
※5秒間隔で10回システム情報を表示しつづける。

使用例4
vmstat -w -n -t 1 > vmstat.log
※1秒間隔でシステム情報をvmstat.logファイルに出力する。
※ヘッダーは最初の1行目のみを出力する。
※タイムスタンプを出力する。
※このオプション指定は長時間のシステム状態をロギングする場合に有効。

最終更新日:2020/04/20

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